【論文解説】低負荷対高負荷レジスタンストレーニングにおける筋力およひ筋肥大適応:システマティックレビューと…(2017年)

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「軽い重量」と「重い重量」、どちらでボディメイクは進むのか?

ボディビルやフィジーク、ベストボディなど、体づくりを競う選手なら誰もが一度は考える質問だ。トレーニング理論の世界では長年、この問いについて議論が続いてきた。2017年に発表された大規模な研究レビューは、この問題に対して明確な答えを示唆している。

▶ 何が明らかになったのか

Schoenfeld、Grgic、Ogborn らが発表したこの研究は、低負荷(軽い重量)と高負荷(重い重量)の両者が、筋肥大と筋力獲得にもたらす効果を比較するメタアナリシスだ。複数の先行研究を統合分析した結果、極めて重要な事実が浮かび上がった。筋肥大という観点からいえば、負荷の重さそのものより「適切な疲労度合い」と「継続性」の方が重要だということである。

具体的には、軽い重量でも高い反復回数で限界近くまで追い込めば、重い重量での低反復トレーニングと同等の筋肥大効果が期待できるということだ。これは多くの選手の直感と一致する発見だが、科学的に裏付けられたことに意味がある。

ただし筋力の向上については異なる。重い重量によるトレーニングが、軽い重量でのトレーニングを上回る効果を示していた。これは重要なポイントだ。

▶ トレーニング設計への応用

この研究結果から導き出される最大の利点は、トレーニング方法の自由度が広がるという点である。あなたが怪我を抱えていても、施設の事情で重い重量が扱えなくても、工夫次第で筋肥大を進めることは十分可能ということだ。軽い負荷で高反復、かつ各セットを限界付近まで追い込むトレーニングスタイルは、関節への負担を減らしながら筋肥大を狙える有効な手段となる。

一方、競技に必要な「見た目」だけでなく「力強さ」や「土台としての筋力」を重視する選手なら、週のトレーニング体積の一定割合を重い負荷に充てることが推奨される。つまり、軽い重量での高反復セットと重い重量での低反復セットを組み合わせることが、より完成度の高いアプローチといえるだろう。

▶ 継続と栄養の側面

ここで忘れてはいけない点がある。この研究結果は、どちらの方法でも「疲労に達するまで」「継続的に」トレーニングすることを前提としている。軽い重量なら回数を重ね、重い重量なら強度を確保し、いずれも筋肉への刺激を作り出さなければならない。また、筋肥大を実現するには適切な栄養摂取、特にタンパク質摂取が必須である。トレーニング方法の選択肢が広がったとしても、この基本は変わらない。

▶ 研究の限界と現場での判断

この研究は複数の先行研究を統計的に統合したものだが、被験者の特性や実験期間の違いなど、個々の研究には限界がある。つまり、「すべての選手に完全に同じ効果が出る」とは限らないということだ。自分の体がどちらの方法に反応しやすいのか、実践を通じて見極める必要がある。

結論として、軽負荷か重負荷かの二者択一ではなく、状況や目的に応じた使い分けが最も効果的なボディメイク戦略といえる。この研究はその柔軟性を科学的に支持してくれたのだ。


出典: PubMed PMID: 28834797

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