コーヒーチェリー抽出物は運動パフォーマンスの強い味方になるのか
フィジーク・ボディビル競技者の多くは、試合前のコンディショニング期に持久力トレーニングを組み込む。その際、パフォーマンスを高める補助食品として、カフェインやポリフェノール含有製品の活用を検討する人も少なくない。そこで注目したいのが、コーヒーチェリー抽出物に関する最新研究だ。
▶ アラビカコーヒーチェリーの可能性と現実
2026年に国際スポーツ栄養学会誌に発表された研究では、訓練された自転車選手12名を対象に、カフェイン200mg およびポリフェノール15mgを含むコーヒーチェリー抽出物の効果が検証された。プラセボ対照クロスオーバー試験という厳密な設計で、補給後の運動パフォーマンスと筋グリコーゲン再合成が調査されたのだ。
その結果、補給した選手は15分間のタイムトライアルで有意なパフォーマンス向上を示した。とりわけ、高強度運動直後の爆発的な出力が必要な場面で効果が認められたという。VO2max 55mL・kg-1・min-1 レベルの訓練された選手でも改善が見られるのは、注目に値する知見といえる。
▶ 筋グリコーゲン回復への影響は限定的
一方、興味深いことに、筋グリコーゲン再合成に対しては有意な効果が認められなかった。研究では、運動直後に炭水化物1g/kg体重と共に補給したにもかかわらず、翌朝の筋グリコーゲン値はプラセボとの間に差がなかったのだ。つまり、この抽出物のメリットは「疲労感の軽減や一時的なパフォーマンス向上」に限定される可能性が高い。
▶ 実践的な活用方法
競技者にとって実用的なポイントは、タイミングの重要性だ。試合当日や重要な練習セッションの直前30分から1時間前に、カフェイン200mg相当の補給を心がけたい。特に複数ラウンドの競技やトレーニングスプリットがある場合、各セッション間の短時間での神経筋出力が求められるシーンで有効と考えられる。
ただし、カフェイン過感受性のある選手や、就寝前のセッションを控える場合には注意が必要だ。また、この研究で検証されたのはあくまで「持久性スポーツ選手」であり、フィジーク選手の筋力やパンプアップに対する直接的な効果については、さらなる検証が待たれている。
▶ 研究の限界と今後の展開
対象者が12名と限定的で、かつ性別バランス(男性11名、女性1名)に偏りがある点も考慮すべき。個人差による効果のばらつきも大きい可能性があるため、自身の体で一度試してから本格的な活用を判断することをお勧めする。



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